analog

3月 30, 2009

人類の理性は帰結主義を受け入れるか

カテゴリー: economics, education, history, law, liberty, philosophy, politics, science, society — hidetox @ 10:35 pm

地獄への道は善意で敷き詰められているという記事では、「善意」が社会にもたらす悪影響を紹介しました。

そのような問題を解決するために必要なのは、人類の理性です。人類は、帰結主義的な思考によって政治的意志決定をしていかなければなりませんが、それを阻むのが感情・本能です。つまり、理性によって、それらを押さえ込まなければ、人類は感情・本能に従って道を誤ります。

帰結主義(きけつしゅぎ、英語 consequentialism)とは、行為を道徳的に判断する際に、その行為から生じる帰結(結果)を考慮に入れる立場を指す。功利主義は、帰結主義のひとつの立場である。

via: 帰結主義 – Wikipedia

帰結主義的に正しくても、感情的には受け入れがたいというのが「労働者保護の撤廃」だったりします。それにより失業率が低下し、国民の経済厚生が向上するはずなのに。

拒否パターン1:道徳・価値観・倫理的に、受け入れがたい。
拒否パターン2:違和感・恐怖から、受け入れがたい。

前者には、まだ尊重すべき論理があります。しかし、後者の理由による拒否もあるということに気付きました。これは、本当にくだらないことですが。

自転車に乗れない人に似ています。「スピードを出せば安定するんだよ」と言われても、スピードを出すのは怖いから、なかなか乗れるようにならない。本能はその言説・理論を「信じる」ことに抗うからです。それに打ち克つのは理性です。

「ある程度はスピードを出したほうが安全」というのは帰結主義的に正しい言説であるけれど、感情的(本能的)には受け入れがたいわけです。マトリックスのモーフィアスなら「速く動こうと思うな。速いと知れ (Don’t think you are, know you are)」と言うところ。

つまり、「本能的恐怖を克服しなければ自転車に乗れるようにはならない」のですが、それと「労働者を保護するよりも規制緩和によって失業率が低下する」という言説を信じられるかどうかというのは、同じ構図でしょう。

近視眼的な正義が、結果的には大きな社会的不正義を生んでいることに気づくべきだ。

via: 1段階論理の正義 – 池田信夫 blog

本能が司る感情的認知と理性は別物。本能的恐怖感を超えて、帰結主義的に正しい道を選ぶことが出来るかどうか。

この21世紀、我々人類の理性が試されている、といっても過言ではないでしょう。

部族社会で生きてきた日本は、いま否応なくそれを捨てることを迫られている。資本主義は人々の精神的な紐帯を断ち切り、格差を拡大する。ハイエクは、「資本の文明化作用」を肯定したマルクスと同じく、こうした変化を不可避で望ましいものとしたが、本当にそれは人間を幸せにするのだろうか。それ以外の道はないのだろうか。

via: ハイエクの政治思想 – 池田信夫 blog

3月 14, 2009

やる夫で学ぶ経済の仕組み

カテゴリー: economics, history, society — hidetox @ 4:26 pm

あんそく やる夫が儲けるようです 【古代編】
あんそく やる夫が儲けるようです 【近代編】
あんそく やる夫が儲けるようです 【最終話】

ここまでやさしく、読者の思考を「経済の本質」に導く作品が、これまで存在しただろうか。格差、不平等、派遣切り、サブプライム・・・様々な問題について「何かがおかしい」と思う人に読んでもらいたい。資本主義は悪か?

アート・リテラシーは歴史学

カテゴリー: art, history, literacy — hidetox @ 2:47 am

現代に生きる我々は、『ソフィーの世界』を読んで数百年前の哲学に驚愕することもできるし、不確定性原理を学んで100年前の量子論の世界観に驚愕することもできる。現代の我々も、それらを初めて学ぶときには、コペルニクス的転換の衝撃を受ける。その衝撃は、我々の素朴な実感・世界観に反しているから。決して「その当時の常識に反している」からではないのだ。その点で、時代を超越した(timeless)衝撃だといえる。

それに比べ、美術におけるコペルニクス的転換は、同時代的(contemporary)なものだ。当時の時代背景において、同時代人が、衝撃を受けた。現代を生きる我々が、その衝撃を実感するためには、時間を超える必要がある。つまり、歴史・美術史を学ぶ必要性だ。

contemporaryは、過ぎ去ってしまえば、temporaryなのだ。

ORIGIN mid 17th cent.: from medieval Latin contemporarius, from con- ‘together with’ + tempus, tempor- ‘time’ (on the pattern of Latin contemporaneus and late Latin contemporalis).

New Oxford American Dictionary

2月 13, 2009

民主制・自由主義・個人主義

カテゴリー: Japan, book, education, history, politics, society — hidetox @ 3:47 am

福沢諭吉が嘆いた150年前のだらしない日本人と、いまの日本人。

学問のすゝめ – Wikipedia

彼は攘夷の気分が蔓延していた当時に攘夷を否定し、また、「政治は国民の上で成り立っており、愚かな人の上には厳しい政府ができ、優れた人の上には良い政府ができる。法律も国民の行いによって変わるもので、単に学ぶ事を知らず無知であるのに強訴や一揆などを行ったり、自分に都合の良い事ばかりを言う事は恥知らずではないか。法律で守られた生活を送っていながら、それに感謝をせず自分の欲望を満たすために法律を破る事は辻褄の合わない事だ。」(意訳)等と、大政奉還から約4年半後の世相を考えれば、かなり先進的な内容だったといえる [1] [2]。

右傾化や移民排斥に陥る空気はないか?

自らが学ぶ努力をしないから無知で貧しいというのに、持てる者から奪おうとしてないか?

というのは150年前の日本人に向けた福沢諭吉のメッセージだ。

150年も経ったんだ。現代の日本人には当てはまらないだろう。

と思ったら大間違いだ。

格差論はどうか?
派遣村はどうか?
労働組合はどうか?

我々は愚かだ。

自由な社会は、我々が賢くあることで維持できる。

我々は十分に賢いだろうか?

我々は学ばなければならない。

404 Blog Not Found:近代的日本国民の青写真 – 書評 – 現代語訳 学問のすすめ

そして明らかになった「日本ならではの国民像」が、いかに当時から変わっていないかに、読者は文体の変容ぶり以上のショックを受けるに違いない。その理想も、そして現実も。未だに政府を「お上」と呼び、外圧にはへいこらする現代日本人を見て、著者はどう答えるであろうか。

* analog | 学問のすゝめ
* analog | 依頼心(資本論)
* analog | 保守的教育観
* analog | 政府と政治の区別はついてる?
* analog | 自由か隷属か
* analog | 新訳・現代語訳の重要性
* analog | 「民主主義」は誤訳

新訳・現代語訳の重要性

カテゴリー: Japan, book, culture, education, history, literacy, literature, philosophy — hidetox @ 3:43 am

我々がリレーする聖火は、ふいに消えることがある。仕方ないさ。また点せばいいじゃないか。貴いのは、同じ火を絶やさず受け継ぐことではない。消えてしまったとき、ふたたび点し、受け継ごうとする、その心こそ貴いのだ。

『自由論』ジョン・スチュアート・ミル

山岡洋一による新訳が素晴らしい。光文社古典新訳文庫のキャッチコピーは「いま、息をしている言葉で」。シリーズの装丁も素晴らしい。創刊2周年とのこと。今後に一層の期待を。

光文社 古典新訳文庫:古典新訳文庫について

いま、時代は巨大な転換期を迎えています。まれに見るスピードで歴史が動いていくのを多くの人々が実感していると思います。
 こんな時わたしたちを支え、導いてくれるものが古典なのです。「いま、息をしている言葉で」――光文社の古典新訳文庫は、さまよえる現代人の心の奥底まで届くような言葉で、古典を現代に蘇らせることを意図して創刊されました。気取らず、自由に、心の赴くままに、気軽に手に取って楽しめる古典作品を、新訳という光のもとに読者に届けていくこと。それがこの文庫の使命だとわたしたちは考えています。

『カラマーゾフの兄弟』が累計80万部突破! 大人の読書には続々登場の「新訳」を見逃すな! – エンタ – 日経トレンディネット

 火付け役の一人、光文社古典新訳文庫編集長の駒井稔さんによると、自分自身もずっと「翻訳ものは読みづらい」と感じてきて、その原因を徹底的に排除することにこだわったという。いちばん重要なのは訳文の読みやすさだが、単に現代風にするだけでなく、翻訳者とよく話し合い、「以前は、原典が難しいから分からない、と思っていた点をとことんかみ砕いて分かりやすくした」。装丁や文字の大きさにも気を配り、改行を増やす一方で、持ち歩きやすいように上下巻に分けるといった工夫も。長編の場合は登場人物の名前を入れた栞(しおり)をつけ、最終巻の最後ではなく各巻に用語解説を含む読書ガイドを収録。解説、著者年譜、訳者あとがきなど、作品の理解を助ける周辺情報も充実している。

 光文社以外の新訳も、ソフトとハードの両面から「読みやすく」作られていて、ストレスの少ない気持ちのいい読書体験ができる。新訳の多くは、時代を超えて愛読され、生き残ってきた普遍的な名作だ。つまり、ハズレが少ない。忙しい大人が限られた時間に読むに値する作品がそろっているのだ。

『カラマーゾフの兄弟』が累計80万部突破! 大人の読書には続々登場の「新訳」を見逃すな! – エンタ – 日経トレンディネット

以前からレイモンド・カーヴァーなどの翻訳を多数手がけ、翻訳家としての実績もある村上春樹は、あとがきなどで「翻訳には賞味期限がある」と語っており、お気に入りの海外小説の新訳に積極的に取り組んでいる。

NO BOOK NO LIFE | グレート・ギャツビーと華麗なるギャツビー

村上春樹は、翻訳には賞味期限があるという。翻訳というのは言語技術の問題であり、技術は細部から古びていくものだから、不朽の翻訳は原理的にありえないと。

404 Blog Not Found:近代的日本国民の青写真 – 書評 – 現代語訳 学問のすすめ

何度も読んだはずなのに、これを読むまで気がつかなかった。

この随筆集こそ、近代的日本国民というものを創り上げた一冊だったのだと。

それゆえ、近代日本国民たるもの、今自分たちが話している言葉で読み返すべきなのだ。自分たちがどうなりたいかを知り、そしてそこまで自分たちがどれほど離れているかを確認するために。

「現代語訳」が必要なのは「外国語」だけではない。

2月 7, 2009

文明の生態史観

カテゴリー: Japan, culture, history, society — hidetox @ 1:39 am

(originally written on 2007.06.04) ECナビの宇佐見社長のブログ(東京IT新聞の紙面で)で知って読んだ。1950年代に書かれた文章。著者の博学からは、主題だけでなく、数多くの視点を学ぶことが出来る。 (続きを読む…)

11月 15, 2008

すべての企業は社会主義を内包している

カテゴリー: economics, history, management, society — hidetox @ 11:30 pm

現代企業は計画経済を取り込んで発展してきた。つまり現代企業は社会主義経済を内包している。 (続きを読む…)

10月 13, 2008

依頼心(資本論)

カテゴリー: cuote, economics, history, liberty, philosophy, society — hidetox @ 9:01 pm

超訳『資本論』的場 昭弘
P.347 「あとがき」

なぜ労働者は努力しても資本家になれないのか、
それは最初から条件が違っている
という事実を知れば理解できます。
資本主義が始まるには、さまざまな条件が必要で、
(略)
これらによって、労働者が労働力商品以外に
売るものがないような条件がつくり出されたわけです。

だからいたずらにいつかは資本家になれるだろう
というような甘い夢をもたないことが必要です。
もちろんそうした夢を捨てられないことは
確かだからこそ、『資本論』をしっかりと
読まねばならないのです。

かような依頼心は国を滅ぼすなり。
独立の気象無き鉄面皮を見るが如し。
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9月 24, 2008

五分後の世界(もう一つの日本)

カテゴリー: Japan, book, history, philosophy, quote, sense-of-crisis, society — hidetox @ 11:53 pm

村上龍『五分後の世界』の重要な部分を引用する。
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9月 12, 2008

GHQに対する丁々発止

カテゴリー: Japan, culture, cuote, history, quote, society — hidetox @ 1:31 am

伝説は事実であるかどうか定かではない。ただ、これが事実であったら、日本人として誇らしい。

(続きを読む…)

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