analog

4月 16, 2009

「某氏の文体の特徴」とデビュー作

カテゴリー: book, critique, literature — hidetox @ 8:23 pm

某氏の文体の特徴 – 福耳コラム

最後のほうで一行だけ、太字で「嘘つき!」とか彼女が叫ぶ。

思わず、吹き出した。つい先日、彼のデビュー作を読んでいた。

すでにデビュー作に現れていることを確認した。人間は一人で生まれて死んでいくという世界観が。

最新、といっても数年前の長編では、最後に人と人が密接な結びつきを示す。あれは大きな変化というか、デビュー当時の作品からは想像できない。つまり、人はどこまでいっても他人だという個人主義の徹底からは。

歳を取っても人間は大して変わらないが、変わるところもある。

4月 15, 2009

書評:自由のためのメカニズム

カテゴリー: book, critique, economics, law, liberty, society — hidetox @ 10:06 pm

以前紹介したデイヴィッド・フリードマン著『自由のためのメカニズム』は非常に読みにくい本だ。

難解というのではなく、文章として読みづらい。

原因が翻訳にあるのか、原文にあるのか、定かではないが・・・

リバタリアニズムのなかでも過激なアナルコ・キャピタリスト(無政府資本主義論者)の主張を知りたいという向きには第1部〜第2部だけ読むことをお勧めする。第3部以降は、日本語としておかしな文が多すぎて、読むに耐えない。

ただ、興味があれば第3部や第4部にも読むに値する箇所はある。どちらかというと第2版で追加された第4部のほうが興味深いので、おすすめする。おもに「法と経済学」に関する論考だけは読んでおく価値があると思う。

3月 8, 2009

本そのものという膨大な脚注

カテゴリー: book, literacy, quote, science — hidetox @ 1:47 am

利己的な遺伝子 < 増補新装版>

本そのものという膨大な脚注がなければ、『利己的な遺伝子』というタイトルは、その内容について不適切な印象を与えかねないことを、私は容易に理解できた。

The Selfish Gene: 30th Anniversary … – Google Book Search

I can readily see that `The Selfish Gene’ on its own, without the large footnote of the book itself, might give an inadequate impression of its contents.

2月 18, 2009

「醜悪な社会だからこそ美しいものを」漫画家・新井英樹

カテゴリー: book, literature, quote — hidetox @ 6:26 pm

「醜悪な社会だからこそ美しいものを」漫画家・新井英樹が見る現代 : 日刊サイゾー 

今の時代は「自分探し」といっても、何もせずに自分の中に埋蔵金みたいなものが眠っていると信じているだけですよ。たとえば、本を読むだけでステップアップできると信じて、面倒なことは何もしなかったり。そんな感じがやたらするんですよ!

 

ポール・ニューマンが主演した『暴力脱獄』【※1】というメチャクチャ面白い映画があるんですけど、それをネットでけなしている若い子がいたんです。「主人公がどうして反抗するのかがわからない」って。もう大前提が理解されていないんですよ! 何かに反抗することって、つまり自由がテーマの物語じゃないですか。「もう今は自由の意味すらわからなくなってるのか?」と暗澹たる気持ちになりました。どうすれば、それを元に戻すことができるのか。それが今、創作のモチベーションとなっている部分があります。

 

『キッズ・リターン』【※2】のような物語を、もっと多くの若い世代に観てほしいですね。どれだけ努力しても必ず何かを勝ち得るわけではない、ということを教育として示しておきたい(笑)。

 

それが僕の原体験ですね。自分が思い描いている理想は実現されないこともある、と。

 

さきほどの話にも通じますが、『暴力脱獄』を観て反抗の意味がわからないってことは、今の若い人たちは、社会からの抑圧がないと思っているのかもしれない。でもそれは、陰謀論みたいになっちゃいますけど、「抑圧なんてものはない」と思い込まされているだけなんですよ。「現状でいい」という認識は、人間としての基本的な感覚が磨かれていない。

 

できれば、現状を変えたいと僕も考えています。少しでも「今の社会状況は違うだろ!」と思う人が増えてほしいですよ。大宣伝されているものにみんなが飛びついたとき、いいことが起こったためしがありますか? だから、オバマに熱狂している人たちなんて、気持ち悪くてしょうがない(笑)。

2月 13, 2009

民主制・自由主義・個人主義

カテゴリー: Japan, book, education, history, politics, society — hidetox @ 3:47 am

福沢諭吉が嘆いた150年前のだらしない日本人と、いまの日本人。

学問のすゝめ – Wikipedia

彼は攘夷の気分が蔓延していた当時に攘夷を否定し、また、「政治は国民の上で成り立っており、愚かな人の上には厳しい政府ができ、優れた人の上には良い政府ができる。法律も国民の行いによって変わるもので、単に学ぶ事を知らず無知であるのに強訴や一揆などを行ったり、自分に都合の良い事ばかりを言う事は恥知らずではないか。法律で守られた生活を送っていながら、それに感謝をせず自分の欲望を満たすために法律を破る事は辻褄の合わない事だ。」(意訳)等と、大政奉還から約4年半後の世相を考えれば、かなり先進的な内容だったといえる [1] [2]。

右傾化や移民排斥に陥る空気はないか?

自らが学ぶ努力をしないから無知で貧しいというのに、持てる者から奪おうとしてないか?

というのは150年前の日本人に向けた福沢諭吉のメッセージだ。

150年も経ったんだ。現代の日本人には当てはまらないだろう。

と思ったら大間違いだ。

格差論はどうか?
派遣村はどうか?
労働組合はどうか?

我々は愚かだ。

自由な社会は、我々が賢くあることで維持できる。

我々は十分に賢いだろうか?

我々は学ばなければならない。

404 Blog Not Found:近代的日本国民の青写真 – 書評 – 現代語訳 学問のすすめ

そして明らかになった「日本ならではの国民像」が、いかに当時から変わっていないかに、読者は文体の変容ぶり以上のショックを受けるに違いない。その理想も、そして現実も。未だに政府を「お上」と呼び、外圧にはへいこらする現代日本人を見て、著者はどう答えるであろうか。

* analog | 学問のすゝめ
* analog | 依頼心(資本論)
* analog | 保守的教育観
* analog | 政府と政治の区別はついてる?
* analog | 自由か隷属か
* analog | 新訳・現代語訳の重要性
* analog | 「民主主義」は誤訳

新訳・現代語訳の重要性

カテゴリー: Japan, book, culture, education, history, literacy, literature, philosophy — hidetox @ 3:43 am

我々がリレーする聖火は、ふいに消えることがある。仕方ないさ。また点せばいいじゃないか。貴いのは、同じ火を絶やさず受け継ぐことではない。消えてしまったとき、ふたたび点し、受け継ごうとする、その心こそ貴いのだ。

『自由論』ジョン・スチュアート・ミル

山岡洋一による新訳が素晴らしい。光文社古典新訳文庫のキャッチコピーは「いま、息をしている言葉で」。シリーズの装丁も素晴らしい。創刊2周年とのこと。今後に一層の期待を。

光文社 古典新訳文庫:古典新訳文庫について

いま、時代は巨大な転換期を迎えています。まれに見るスピードで歴史が動いていくのを多くの人々が実感していると思います。
 こんな時わたしたちを支え、導いてくれるものが古典なのです。「いま、息をしている言葉で」――光文社の古典新訳文庫は、さまよえる現代人の心の奥底まで届くような言葉で、古典を現代に蘇らせることを意図して創刊されました。気取らず、自由に、心の赴くままに、気軽に手に取って楽しめる古典作品を、新訳という光のもとに読者に届けていくこと。それがこの文庫の使命だとわたしたちは考えています。

『カラマーゾフの兄弟』が累計80万部突破! 大人の読書には続々登場の「新訳」を見逃すな! – エンタ – 日経トレンディネット

 火付け役の一人、光文社古典新訳文庫編集長の駒井稔さんによると、自分自身もずっと「翻訳ものは読みづらい」と感じてきて、その原因を徹底的に排除することにこだわったという。いちばん重要なのは訳文の読みやすさだが、単に現代風にするだけでなく、翻訳者とよく話し合い、「以前は、原典が難しいから分からない、と思っていた点をとことんかみ砕いて分かりやすくした」。装丁や文字の大きさにも気を配り、改行を増やす一方で、持ち歩きやすいように上下巻に分けるといった工夫も。長編の場合は登場人物の名前を入れた栞(しおり)をつけ、最終巻の最後ではなく各巻に用語解説を含む読書ガイドを収録。解説、著者年譜、訳者あとがきなど、作品の理解を助ける周辺情報も充実している。

 光文社以外の新訳も、ソフトとハードの両面から「読みやすく」作られていて、ストレスの少ない気持ちのいい読書体験ができる。新訳の多くは、時代を超えて愛読され、生き残ってきた普遍的な名作だ。つまり、ハズレが少ない。忙しい大人が限られた時間に読むに値する作品がそろっているのだ。

『カラマーゾフの兄弟』が累計80万部突破! 大人の読書には続々登場の「新訳」を見逃すな! – エンタ – 日経トレンディネット

以前からレイモンド・カーヴァーなどの翻訳を多数手がけ、翻訳家としての実績もある村上春樹は、あとがきなどで「翻訳には賞味期限がある」と語っており、お気に入りの海外小説の新訳に積極的に取り組んでいる。

NO BOOK NO LIFE | グレート・ギャツビーと華麗なるギャツビー

村上春樹は、翻訳には賞味期限があるという。翻訳というのは言語技術の問題であり、技術は細部から古びていくものだから、不朽の翻訳は原理的にありえないと。

404 Blog Not Found:近代的日本国民の青写真 – 書評 – 現代語訳 学問のすすめ

何度も読んだはずなのに、これを読むまで気がつかなかった。

この随筆集こそ、近代的日本国民というものを創り上げた一冊だったのだと。

それゆえ、近代日本国民たるもの、今自分たちが話している言葉で読み返すべきなのだ。自分たちがどうなりたいかを知り、そしてそこまで自分たちがどれほど離れているかを確認するために。

「現代語訳」が必要なのは「外国語」だけではない。

1月 19, 2009

『自由論』ジョン・スチュアート・ミル

カテゴリー: book, economics, literacy, philosophy, society — hidetox @ 1:00 am

善意にしろ、悪意にしろ、自分の考えを他人に押しつけたがるのは、人間の性だ。権力を抑え込む努力なしに、個人の自由は守れない。権力はますます巨大化しており、個人の自由は危機に瀕しているーーー19世紀ヨーロッパで開花した自由主義や個人主義の潮流を歓迎しつつも、絶え間ない努力によって維持しなければ失われる価値として自由を擁護した。 (続きを読む…)

1月 10, 2009

書籍購入記録 Nov 14, 2008 – Jan 10, 2009

カテゴリー: book, diary — hidetox @ 7:51 pm

おもに自由と経済学。マーケットプレイスも使った。 (続きを読む…)

12月 14, 2008

過剰と破壊の経済学

カテゴリー: IT, Japan, book, economics, society, web — hidetox @ 12:58 am

終章「孤独な世界の中で」より。 (続きを読む…)

経済学的思考のセンス

カテゴリー: book, economics — hidetox @ 12:15 am

示唆に富む本。表題の「経済学的思考のセンス」とは「インセンティブの観点から社会を視る力」と「因果関係を見つけ出す力」のこと。 (続きを読む…)

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