一分間マネジャー
P.59-60
若者は「おやじ」のマネジメントのやり方に対して、いまだに十分のみこめないままに言った。
「教えてください。例えば部下がどんどんやめるとか、定着性が悪いとか」
「そうね。そう言われてみると、人の移動がかなり多いようね」
ゴメスさんは言った。
「ああ、それだ」
若者は手ごたえがあったと思って言った。
「<一分間マネジャー>のところを離れた人たちは、どうなりましたか」
若者は知りたがった。
「新しい事務所を委せたわ」
ゴメスさんはすぐに答えた。
「彼のところで二年も働くと、部下の人たちは『もう上役は要らない』って言い出すのよ。彼は、部下の訓練にかけてはわが社でベスト・ワンね。空席ができて、よいマネジャーが必要になると、いつも彼に電話するの。すると、いつでも、誰かすぐに使える手持ちの駒を持っているというわけ」
若者はあっけにとられ、ゴメスさんにわざわざ時間を割いてくれたことにお礼を述べた。

