その数学が戦略を決める
Amazon.co.jp: その数学が戦略を決める: イアン・エアーズ, 山形 浩生: 本
P.81
無作為抽出テストは、直感の終わりではない。単にその直感がテストにかけられるということだ。
P.146
統計モデルを使う場合でも、過去の裁判をデータ化するときには相変わらず人間が必要だということには留意してほしい。下級法廷の判決が「リベラル」か「保守的」かを判断するには、ある種の専門性が必要だ。この研究は、統計的な予測が主観的な判断と共存できるし、それに依存することもあるのを示している。統計的な判断が、専門家や臨床家の主観的な意見に左右されることもあるのだ。(略)専門家は最終的な判断を下すのではなく、ある個別特徴の有無について意見を求められるだけだ。
P.158
伝統的な専門家とは対照的に、統計手続きは予測するだけでなく、予測のクオリティまで教えてくれる。専門家たちは予測のクオリティを教えてくれないか、教えてくれてもその精度について自信過剰だ。
P.160-161
専門家と絶対計算技能を組み合わせるにしても、もっとずっと人間を矮小化して疎外するようなやり方を支持する証拠は増えている。一部の調査では、伝統的な専門性を活用する最も正確な方法は、統計アルゴリズムで追加因子の一つとしてそれを足しておくだけ、という結果が出ている。(略)統計を専門家の選択に従属させるかわりに、専門家のほうが統計マシンの僕となるわけだ。(略)「領域としてもっともわくわくする部分は、実際に判断を握っているのがマシンであるような領域ですが、そのマシンは行き詰まったときに人間に助けを求められるだけの知恵をそなえているんです」
P.168-169
これは多くの点で、意志決定において血と肉を持つ人間たちの役割について、かなり気が滅入るお話だ。それは人間の裁量がきわめて限られ、人間とその決断はマシンの出力に左右されている世界に見える。予測プロセスの中で、われわれ人間がマシンよりも上手にできることは(あるとすれば)一体何なのだろう?(略)一言でいえば、仮説立案だ。人間に残された一番重要なことは、頭や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/入れるべきでないか推測することだ。
書評 「その数学が戦略を決める」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
また計算手法はなかなか直感でわからないような間違いをしてしまいがちなところも怖いところだ.(特にそれが政策判断や病気の診断に使われればそうだ)最後に著者は統計リテラシーをつけることを進めて本書を締めている.

