Ponyo: 崖の上のポニョ(4)

このエントリーを含むはてなブックマーク August 13th, 2008 | posted in movie, critique, cuote, art, quote |

この映画は、初対面で笑顔を見せない人に似ている。

この映画は、挨拶を無視する人に似ている。

この映画は、呼びかけても返事をしない人に似ている。

「崖の上のポニョ」を観て不安になる大人の心理。

それは社会的な約束事(プロトコル)の無視である。


我々は、相手が自分と同じ約束事にしたがって行動することを期待している。

それが裏切られるとき、不安になる。

この不安は、サバイバルに必要な能力であり、進化の結果もたらされたのだと思う。

不安になるのが正常な反応だ。

未開の地で、言葉の通じない、武器を持った原住民に取り囲まれると怖い。

それは、武器が怖いのではない。武器なら街の警官だって持っている。

言葉が通じないから怖いのだ。共通の常識、モラル、約束事がないから怖いのだ。

「崖の上のポニョ」という映画は、そのような約束事から逸脱している。

だから不安になる。

この社会に適応した「まっとうな」大人ほど、不安を感じるかもしれない。

この映画が与える不安とは、そういうことだ。

だから、私は公開直後の批評において、次のように書いた。

この映画を観る上での唯一の注意点。大人の常識で観ないこと。宮崎さん(監督)が五歳の子供に向かって(あるいは五歳の子供に「なって」)「こっちにおいでよ」「一緒に遊ぼうよ」と言ってるのだから、自分も五歳の子供になって「ただ、おもしろがる」ことを心がけて観てほしい。それが、これから観ようとする人への唯一のお願い

via: analog | Ponyo: 崖の上のポニョ(1)

これは、大人の約束事を捨てて観てほしいという意味だ。

※「たけくまメモ」の竹熊氏の批評はとても面白く、私も共感している。ポニョ論を深めたい人はぜひ読んでください。

これはすでに多くの人が指摘しているのですが、『崖の上のポニョ』には、こうした作品世界を成立させるうえでの「前提条件のほころび」が、数え切れないくらいに見受けられます。過去にも宮崎アニメには、こうしたつじつまが合わない箇所が確かにあったのですが、はるかに穏当なものでした。『ポニョ』はそれが多すぎて、しかも説明がまったくないので、観客は「あら可愛い」とか「まあ綺麗」だとか考える以前に、不安になって黙ってしまうのです。

via: たけくまメモ : パンダとポニョ(3)

  1. 2 Responses to “Ponyo: 崖の上のポニョ(4)”

  2. By JK on Aug 13, 2008 | Reply

    「つまんない」「わけわかんない」という声が
    当の子どもからあがっているのはどう説明するんですか。

  3. By hidetox on Aug 14, 2008 | Reply

    どういう説明がいりますか? どう説明すればいいですか?

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