あっさり前言撤回しよう。
ここに大きな違和感を感じるのだ。人が人を統べる方法において古代も現代もあるものか。古代ギリシアの政治や軍隊組織よりも、現代のわれわれはよりよく組織運営している、などと無邪気に信じるとすれば進歩主義の浅薄さも極まったものだ。
ゲイリー・ハメル氏は、じつは「人が人を統べる」ことを否定しようとしている。経営学の教授でありながら。
だから、私の理解が誤っていたのであって、改めて読んでみると、なるほど興味深い主張に彩られているのだった。
そのうえで、あらためて彼の提出した課題の先に、何があるのか考えてみる。
ここからは、彼ではなく、私の考えを述べるが。
「従業員」という概念の破壊。
これだ。
「経営管理イノベーション」とは「経営管理」そのものを不要にする圧力と、しかしそれなしに事業活動がまともに運営されないという逆方向の圧力の、せめぎあうところを見いだそうという視点。この前者の圧力を持ち出すことで、後者との均衡点を探ることができるようになった。
そして、サラリーマン、フリーエージェント(個人事業主)を経て起業した人間として、言わせてもらおう。
※注:「雇われ」「雇われず」「雇う」という3者を経験したという意味
「従業員の雇われ意識」を撲滅したければ、名実共に「雇う」「雇われる」という関係をやめること。つまり「雇用」という仕組みから離れることだ。
ある程度の確信を持って言えることなのだが、いまの日本で「企業」という形態でそれを実現することは大きな困難を伴う。個人事業主の集合で、LLPといった形態により運営するならば、可能だろう。
もし改めて会社を作る機会があるならば、そういう形態を試してみたいと思う。
そうでなければ、障壁が多すぎて、有効な試みは難しい。労働法が足かせになる。
私の考えを少し詳しく整理しておく。「経営管理を不要にする」ための方向性を、少なくとも2通りは見つけた。
1.会社と構成員(≠従業員)を対等な関係に
→これを日本の法律は阻む。「従業員」に有利な法規制。
2.会社を解体し、個々の構成員(≠従業員)の集合体(≒組合)にまで簡素化する
→これは個人事業主が集まってLLPという形態をとることで可能ではないか。
現時点では、以上のように考えた。
もちろん、一般論として、日本人相手には難しいだろう。「雇いません。個人事業主としてLLPに入ってください」では。「寄らば大樹の陰」な心理の人には向かない。しかし、すでにフリーエージェントは少なくないのも事実。多くの会社で可能かというと、無理だが、ごく一部、このモデルでうまくいく会社が生まれるかもしれない、とは思う。
■参考文献
フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか
[...] 続編→analog | Management Revisited: 経営の未来(再) [...]
ピンバック by analog | Progressive Management: 経営の未来 — 10月 13, 2008 @ 5:53 pm
[...] 関連:analog | 雇用差別という問題は存在しない analog | Management Revisited: 経営の未来(再) [...]
ピンバック by analog | すべての企業は社会主義を内包している — 2月 10, 2009 @ 2:55 am