Editorial Technique: 知の編集術

このエントリーを含むはてなブックマーク May 30th, 2008 | posted in literature, book, quote |

松岡正剛著の本。とても博学な著者だが、それゆえ伝えたい本質よりも「読み疲れ」のような感覚だけが残ってしまった。編集術というものを人間頭脳の情報処理一般にまで拡張しているようなのだが、具体例としては、ほとんど文字の編集しか扱っていないかのような印象を受けた。いわゆる一般的な意味での「編集者」の仕事、という枠を大幅には出ていないように思えた。もっと、グラフィカルなデザイン、数式、図解、といったものについて言及されていてもよかったと思う。その分、枝葉に当たる博学の疲労を削って。

 こんなことを書くと結論めくが、編集でいちばん大事なことは、さまざまな事実や事態や現象を別々に放っておかないで、それらの「あいだ」にひそむ関係を発見することにある。そしてこれらをじっくりつなげていくことにある。
 このようにモノやコトを見ることを、編集工学では「関係の発見」とか「新たな対角線の発見」とよんでいる。私はこのような方法こそが、これからの人間の認知や意識のしくみにとっても、産業界や教育界にとっても、また自分の創発的な能力を開拓するためにも、かけがえのないものになりうるとおもっている。つまり私は本書を語っていくなかで、「方法が世界の内実そのものだ」ということを伝えてみたいのである。
(第1章 編集は誰にでもできる)

見るとは、二度以上見ることである
マルセル・デュシャン

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