Original Value of Products

このエントリーを含むはてなブックマーク April 23rd, 2008 | posted in management, marketing, design |

TumblrのGroupsという概念はVersion2で導入されたのだろうか。しばらくたつが、さっぱりどういうものなのか分からない。

これまでの商品開発の仕事を通じて考えていること。

■顧客の期待に応え続ける重要性

買い手・使い手は、

  • 直感的に使い方が分からないもの
  • 習得した先にある価値・効果を実感できないもの

そういうものを、わざわざ買ったり、使ったりしないものだ。

だから、「顧客の期待」に耳を澄ますことが大事。

ただ、耳を澄ますといっても「声が大きい人」の声だけ聞こえてくるので注意が必要だ。

ポイントは「そのプロダクトが現状で成功している理由=顧客の期待」にきちんと応えることだ。これを確実にやっている限り、顧客の期待に応え続けることができる。

注意すべきは新規拡張だ。多くは「顧客の期待」を裏切ることになる。「顧客はこういうものを望んでいるだろう」というのは、あなたの勝手な想像に過ぎない。既存客は、そんなもの望んでいない。「現状のまま」の商品を気に入っているから、買って、使っているのだ。「余計なものが加わる」ことで、離れるかもしれない。

もちろん、既存客が感じている不便・不快を取り除くことは重要だ。しかし、それは大げさなイノベーションではなく、小さな改善によるものだ。新規拡張といったものではなく、既存部分の改善だ。

余談だが、多くの商品企画者は、「改善」と「新規拡張」の区別が付いていない。商品へのあらゆる手入れを「改善」と呼ぶ。これは間違っている。何かを「増やす」「減らす」という改善と、何かを「付け足す」という新規拡張は異なる。改善は連続的で、新規拡張は不連続だ。

ゴテゴテと付け足していった結果、何ができるか。複雑な商品。使いにくい商品。一瞬で理解できず、魅力を感じない商品。そういう商品が出来上がる。

むしろ、何かを「取り除く」というマイナスの拡張によって、商品はシンプルで魅力的になることすらある。

だから、不連続な手入れは、つねに顧客の期待を裏切るリスクと背中合わせだ。

■顧客の期待に応え続ける危険性

ただ、既存客の期待に応えることを愚直に徹底すると「イノベーションのジレンマ」が待っている。

いい物を提供し、顧客の期待が高まり、その期待に応える形で商品の改善が続けられる。素晴らしい関係のように思える。しかし、その先には何があるか。企業と顧客がお互いに「オタク」になってしまうタコツボ現象に陥る。相互依存といってもいい。

余談

もちろん、それでいい、という考え方もあるだろう。高級ブランド戦略ならばそれでもいいのだ。

余談だが、高級ブランド戦略は、イノベーションのジレンマとほぼ同義である。一般人の手の届かないような値段の万年筆、銀塩一眼レフカメラ、バイク、車などを想像できるだろう。安価で簡素な商品により市場を一気に奪われるリスクがある。そこでどうするか。技術経営ではない。ブランド経営だ。

企業と顧客がお互いに「オタク」になってしまうタコツボ現象を避けるには、どうすればいいか?

そこで、「その商品の本来の価値(本質)」に立ち戻って考えることが大事だ。商品の本質から離れないこと。

ちなみに、成功している老舗ブランドも、ここを愚直に守っている。「創業当初の製法・伝統を守り」といった文句を見た覚えは無いだろうか。だから、イノベーションのジレンマを避けるにしても、受け入れるにしても、商品の本質を守ることは大事だ。

商品の本質から離れるくらいなら、新しい商品を作るほうがいい。本質的に別のものを、一緒にすべきではないのだ。

■顧客の期待に応えつつ顧客層を拡大する方法

既存客のみを相手にしている限り、事業は自ずと上限に突き当たるものだ。

「非顧客層に目を向けること」が企業の成長には欠かせない。

そのとき「既存商品の新規拡張により非顧客層を取り込む」ということが、一番やってはならないことだ。

既存客は離れるし、非顧客層にとっては複雑で分かりにくく魅力を感じない商品になる。

正しいのは、

「既存商品は既存顧客の期待に応え続けるが、過剰品質にならない範囲にとどめる。また新規拡張をせずに、その商品の本来の価値(本質)を守る」(※ただし高級ブランド路線ならばいけるところまでいけばいいと思う)

「非顧客層へは、新商品を提案する。その際に、既存商品の簡素化、廉価版をいったん考えたのち、そこに新たな顧客層への提案を盛り込んだ、別商品とする」

だと考えている。

こういうことは、生活用品メーカーなどマーケティングに成熟した企業ならば、当たり前にやっていることだ。

車、バイク、ワイン、ファッションなど「道(どう)」になる商材、業界というのは、ハイテクに限らず、利用に知識が必要なことからタコツボ現象化しやすい。
そこで、そこから逃げずに高級ブランド路線で頑張ってもいい。
あるいは、知識やウンチクを一切排除することで、新しい市場ができることもある。ブルーオーシャンと呼ばれることもある。
例えば、ミドルメンズ向けライフスタイル誌「LEON」。そのターゲット層でライフスタイル誌は(ビジネスとして)成功しないと考えられていた。「クラシコイタリアの真髄を極める」といった道の要素を排除し「けっきょくモテたいんでしょ?」という本音で読者と対話を始めることにより、新たな市場を切り開いた。
同様の「ウンチクを排除」した例としては「いえそば」もある。

IT、ウェブ、ハイテク業界では、実行されていない(※アップルは例外だ)。だからこそ、実行した企業は強い。

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  2. Apr 23, 2008: analog | User-Centered Company Design

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